胸の真ん中・左・右が痛い(ズキズキ)

胸の真ん中・左・右が痛い
(ズキズキ)方へ

胸の真ん中・左・右が痛い(ズキズキ)方へ
胸の痛みと一言で言っても、痛みの部位・深さ・強さ・現れ方によっていくつかのパターンに分類されており、原因となる疾患も異なります。
以下に、胸痛の分類や早急な受診が必要な症状についてご紹介しますので、心配なことがある方は、大阪市の鶴橋駅前よしかわ内科へお早めにご相談ください。

胸痛のパターン・分類

胸の表面に生じる痛み

「チクチクする痛み」「刺すような痛み」と表現されます。
肺よりも外側に位置する胸壁の神経・筋肉の炎症・外傷・帯状疱疹などが原因となり生じる痛みです。

胸の深いところで生じる痛み

胸の深いところにある「内臓の痛み」と表現することができます。
主に心筋梗塞・大動脈解離・肺塞栓症などが原因で生じます。

胸以外の原因による痛み

他には消化器疾患・呼吸器疾患・骨格・筋肉の障害などが、胸周囲へ影響を与え、胸の痛みのように感じられることがあります。

早急に受診が必要な胸痛の症状

胸の痛みの中には、緊急処置を要するものがあります。下記の症状に心当たりのある方は、お早めに当院へお越しください。

  • 胸が締めつけられる
  • 胸が重いものに圧迫される感じがする
  • 胸から背中へ痛みが移動するような強い痛み
  • 冷や汗(脂汗)を伴う
  • 呼吸困難、嘔吐、意識低下、失神を伴う胸痛
  • など

もしご自身での受診が困難な場合は、救急車を呼んでください。
救急車を呼ぶか迷った場合は、救急安心センター事業「#7119」へ相談しましょう。救急対応トレーニングを受けた相談員が、適切にアドバイスしてくれます。

胸が痛い(真ん中・左・右)
場所から考えられる病気

痛む部位ごとの特徴、可能性のある原因についてご紹介します。しかし、あくまで参考程度にとどめて、必ず医師の診断を受けましょう。

痛む場所 可能性のある
原因・病気
特徴
前胸部 狭心症 圧迫される痛みが1~5分続く
心臓炎 発熱を伴う風邪によって深呼吸・咳で痛みが増す
左~中央部 心筋梗塞 呼吸困難・吐き気・冷や汗とともに激しい痛みが15分以上続く
胸・背中・腰 解離性大動脈瘤 胸を突き抜かれる・引き裂かれるような痛み
背中 胸膜炎 咳・痰・息切れ・動悸を伴い呼吸時に痛みが増す
脊椎~助骨 助間神経痛 深呼吸・咳・大きい声を出す時に痛みが増す
場所が特定しない 心臓神経症 押すとチクチクし、さすると治まる痛みが半日近く続く
胸の表面 筋肉痛 運動時や体をひねると痛む、1週間ほどで治まる
助骨の骨折 深呼吸・咳・くしゃみをすると痛む
ストレス・うつ病 ストレスを強く感じた際や不安が強まると痛みが増す

胸が痛い(ズキン・チクチク)
痛み方から考えられる病気

受診時に医師へ説明する時のために、下記を参考に「胸の痛み方」を記録してご説明いただければと思います。

痛み方 可能性のある
原因・病気
その他の症状
ズキンと痛い 心膜炎 風邪を引いた後に胸を刺すような痛みが出る
帯状疱疹 ピリピリ・チクチクと痛むことがある
チクチクと痛い 肋骨痛、神経痛、肋間神経痛、筋肉痛 胸の表面や浅いところに原因がある
帯状疱疹 痛みの持続時間が長く、皮膚に水疱が現れる
心膜炎 胸膜炎 発熱を伴う
ピリピリと痛い 肋間神経痛 間欠的な痛みが続く、体の片側だけ痛むことがある
帯状疱疹 症状が進行すると痛みを伴う水疱が生じる
圧迫感・締め付ける痛み 狭心症 痛みは1~5分で治まるが、断続的に繰り返す
心筋梗塞 動悸・息切れ・めまいを伴い 胸の真ん中に激しい痛みが15分以上続く

胸痛の原因となる疾患

[肺や胸膜の疾患]

気胸

気胸は、外傷・肺胞・肺組織の脆弱化などが原因で、肺が破れてしぼんでしまう疾患です。発症すると突然の胸痛・咳・呼吸困難などの症状が出現します。

胸膜炎・膿胸

胸膜炎・膿胸は、肺表面を覆う薄い膜(胸膜)に、細菌感染・ウイルス感染・悪性腫瘍・膠原病などの炎症が生じたり、膿が溜まったりする疾患です。

肺炎

肺炎は、細菌・ウイルス・カビなどが肺組織の炎症を引き起こす疾患です。進行すると胸膜炎へ悪化する可能性があり、肺炎と診断されたのちに胸膜炎のようなピリピリとする胸痛を感じることがあります。

肺塞栓
(エコノミークラス症候群)

肺塞栓症は、足の静脈にできた血栓などが血液によって肺の動脈に運ばれ、血栓(血液の塊)が詰まる疾患です。

肺がん

肺がんは、肺及び気管支の細胞に悪性腫瘍が生じる疾患です。癌組織そのものによる肺の痛みの他、癌性胸膜炎や骨転移などによる胸痛も生じ得ます。

悪性胸膜中皮腫

悪性胸膜中皮腫は、アスベストなどが原因となり肺表面を覆う薄い膜(胸膜)に悪性腫瘍が生じる疾患です。

[心臓や血管の疾患]

虚血性心疾患
(狭心症・心筋梗塞など)

虚血性心疾患は、心臓の血管が狭窄や閉塞することで生じる疾患の総称です。主に狭心症や心筋梗塞があり、発症すると胸痛から始まり左肩・左腕・背中などへ痛みが拡散し、心筋梗塞の場合は心筋が壊死するため呼吸困難、意識消失を伴います。

狭心症の詳細はこちらへ

心筋梗塞の詳細はこちらへ

大動脈解離

大動脈解離は、三層構造(内膜・中膜・外膜)の内膜に亀裂が入り、血圧や血流などの刺激によってさらに急激に裂けてしまう疾患です。胸や背中が引き裂かれるような痛みを感じ、内膜の亀裂が拡大するにつれて痛む位置が移動していく特徴があります。

貧血

貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビンが不足する疾患です。進行すると十分な酸素の運搬が困難になり、めまい・動悸・胸痛を感じることがあります。

[神経・筋肉・骨の疾患]

肋骨の骨折

肋骨を骨折すると、安静にしている間は鈍い痛みに留まるものの、咳や深呼吸をした時などに痛みが強くなります。

肋間神経痛・帯状疱疹

肋間神経痛は、肋骨の骨折・脊椎ヘルニア・帯状疱疹などが原因となり、肋間神経が障害されて痛みを発症する疾患です。発症すると突発的かつ体の片側にチクチクとする痛みが生じ、咳・深呼吸のたびに強くなります。

[心因性]

心臓神経症

心臓神経症は、心因性の疾患です。検査で各臓器の異常が認められないにもかかわらず、精神的なストレスがかかった時に胸痛・動悸・息切れなどの症状を感じます。

ストレス・生活習慣

胸痛を引き起こす原因には、ストレス・食生活の乱れ・運動不足・喫煙・肥満なども挙げられます。結果的に動脈硬化や冠動脈狭窄などを誘発し、胸痛を招きかねません。

胸痛がある場合の診察

胸痛がある場合は、様々な疾患の可能性を考慮する必要があります。当院は以下の流れで、慎重に診察をしていきます。

1.問診

まずは問診で、胸の痛む部位・痛み方・痛みの持続時間・その他の症状を伴っているか、血圧値などを確認し、患者さんのお話をしっかりおうかがいします。

2.検査

問診後は、体の内部の状態を詳細に調べるため心電図検査・胸部X線検査・血液検査などを行います。

3.薬の内服・治療のご案内

検査の結果を患者さんと確認しながら、今後の治療方法についてご相談します。
重篤な疾患の可能性がある場合は近隣の高次医療機関への紹介転送を依頼いたします。

息切れ(呼吸困難)
・息苦しさが頻繁にある方へ

息切れとは、呼吸をする際に努力が必要で、息を吸いづらい、吐きづらいなどの不快を感じる状態のことを言います。
通常、ジョギングなどの負荷のかかる有酸素運動時に息切れを感じるものですが、平地を歩く軽い運動においても息切れを感じる場合は、何らかの問題や病気が生じている可能性があります。

息が切れる時に考えられる病気

息が切れる時は、呼吸に関わる臓器(肺・心臓・血管・血液・神経など)が障害されていると考えられます。
そのため診察や検査の際は、以下の可能性を念頭に置いて調べていくことになります。

肺の病気

  • 肺炎
  • 胸膜炎
  • 気管支喘息
  • 過換気症候群
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • びまん性汎細気管支炎
  • 肺がん
  • 気胸
  • 縦隔腫瘍異物誤嚥
  • など

心臓の病気

血管の病気

  • 肺血栓塞栓症
  • 肺高血圧症
  • など

血液の病気

  • 白血病
  • 鉄欠乏性貧血
  • 骨髄異形成症候群
  • など

その他の病気

  • 自律神経失調症
  • 甲状腺機能亢進症
  • ギランバレー症候群
  • 全般性不安障害
  • など