- 睡眠時無呼吸症候群外来(SAS)
について - 睡眠時無呼吸症候群の症状
- 睡眠時無呼吸症候群で死亡する
リスク・原因 - 睡眠時無呼吸症候群の検査
- 睡眠時無呼吸症候群の治療
- 家族のいびきが気になる・うるさい・
心配な方は、ぜひ当院にご相談ください
睡眠時無呼吸症候群外来(SAS)について
大阪市の鶴橋駅前よしかわ内科では、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)専門の外来診療を行っております。
通常、睡眠時のみに症状が現れますが、その影響は日常生活にまで及び運転中や仕事中の異様な眠気、心筋梗塞・心不全や脳卒中などの命に関わる疾患を引き起こす病気です。運転中の眠気による交通事故など社会生活上のトラブルを招く可能性もあり得ます。
しかし、早めに睡眠中の呼吸機能や気道を確保する治療を行うことで、日中の不快な症状や合併症のリスクを低減することが可能です。そのため、早期発見のための診察を受けることが重要です。日中の眠気や周囲からの指摘など心当たりがある方は、お気軽に当院へ受診にいらしてください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
とは
この疾患は、肥満や口腔内の器質異常などが原因で、睡眠中に舌が気道を塞いでしまうために生じます。睡眠中に繰り返し呼吸停止するため、体内の酸素が不足するだけでなく心臓疾患や脳血管疾患の発症リスクが高くなります。なおかつ睡眠中のことであるためご自身では気がつきにくく、発見と治療開始が遅れる傾向にあります。
よくある自覚症状は、起床直後から日中の頭痛や眠気があるなどで、その他、周囲の方からいびきや呼吸停止を指摘されることも気がつくタイミングになり得ます。
複数検査を行った後、「10秒以上の無呼吸が一晩(7時間睡眠)のうちに30回以上、または1時間に5回以上認められる場合」にSASと診断されます。
さらに以下の表に沿って重症度を分類します。
軽症・中等症・重症の基準
重症度 | 無呼吸・低呼吸の回数(AHI) |
---|---|
軽症 | 5回~15回/1時間 |
中等症 | 15回~30回/1時間 |
重症 | 30回~/1時間 |
最重症 | 40回~/1時間 |
睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠中の自覚症状
- 息苦しい
- 何度も目が覚める
- よく寝汗をかく
- 夜間の尿意で目が覚める
- など
起床時の自覚症状
- 口や喉が渇いている
- 頭痛がする
- 睡眠時間は十分だが熟睡感がない
- 体が重い、だるい
- など
日中の自覚症状
- 運転中などの場面において異様な眠気に襲われる
- 物事に集中しづらい
- 少しの動作でも疲れやすい
- など
周囲から指摘される症状
- 物忘れやミスが増える
- 睡眠中にいびきをかいている
- 突然呼吸が止まる
- 大きな呼吸とともにいびきを再開する
- など
珍しい症状
- 睡眠中にいびきを伴わない
- 睡眠中の無呼吸はたびたび生じる
- など
これらはSASの中でも、呼吸中枢の機能異常によって生じる中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)の場合に見られる現象です。睡眠中の自覚はおろか周囲の人も気がつきにくいため、CSASを引き起こす疾患(不整脈、心不全など)の診断をきっかけに発見されることが多いです。
睡眠時無呼吸症候群で
死亡するリスク・原因
睡眠時無呼吸症候群は単にいびきをかくだけでなく、以下のような多くの弊害があります。
- 脳、心臓への酸素供給不足
- 心筋の負荷増大
- 脳細胞へのダメージ
- 活動中の異様な眠気
- 頭痛
- など
このように夜間に限らず日常生活にも悪影響を及ぼし、以下のような疾患や不慮のアクシデントを招くことも関連して、命に関わる恐れがあるのです。
心筋梗塞
心筋梗塞は、心筋へ酸素を送る冠動脈が狭窄し、心筋の機能が障害され壊死することもある危険な疾患です。睡眠時の無呼吸によって同様の状態が引き起こされるため、心臓へ大きな負荷がかかり罹患する可能性が高まります。
脳血管疾患
脳血管疾患は、主に脳出血や脳梗塞が知られており、後遺症となることもある疾患です。睡眠中も多くの血液を必要とする脳組織へ、血液の供給が滞るために脳血管や脳組織が障害されてしまい、脳血管疾患を発症する可能性が上がります。
夜間の突然死
睡眠時無呼吸症候群において夜間の突然死のリスクが高いと言われています。睡眠中に呼吸が何度も止まり血液中の酸素濃度が著しく低下することや、心臓や脳血管へ負担がかかることなどが原因です。
睡眠時無呼吸症候群の人は、「健康な人の約2.6倍、夜間の突然死のリスクがある」と言われています。
交通事故
睡眠時無呼吸症候群に特徴的なのが、意識を失うような眠気を伴うことです。そのため運転中や移動中であっても突然の眠気に襲われ、最悪の場合、ご自身や周囲の人を巻き込む事故を起こしてしまいかねません。
睡眠時無呼吸症候群の検査
当院での睡眠時無呼吸の検査について
睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合は、睡眠時の呼吸状態を計測する「簡易無呼吸検査」や「ポリソムノグラフィー(PSG検査)」などを行います。これらの検査は、夜間寝ている間に行うもので、身体にセンサーを装着しますが、痛みを伴うことはありません。また、当院では「ご自宅で」簡易検査、精密検査どちらも行うことができる体制を整えております。入院の必要がない上、検査費も入院の場合と比較して抑えることが可能です。
検査を終えたら、後日、医師から検査結果の説明を受けます。SASの治療は病状・状況により方法が異なります。
詳しくは主治医の先生にご相談ください。
簡易検査
当院より貸し出します。検査を実施(2晩)いただき、当院が指定した日に返却をお願いします。
検査料金
例:3割負担の場合
2,700円 (※検査代のみ。再診療等は別途請求有。)
精密検査
当院では自宅で精密検査を行うことができる体制を整えております。入院の場合と比較し、料金をかなり抑えられる上、普段と同じ環境で検査を実施いただけるため、より普段状況に近い睡眠状況を調べることが可能です。
機器は業者より貸し出します。機器が業者より直接ご自宅に届きますので、検査を実施(1晩)いただき、翌日にご返却ください。機器返却いただいてから「2週間後以降」に結果確認の受診をお願いします。
検査料金
3割負担の場合
11,250円(※検査代のみ。再診療等は別途請求有。)
例:入院の場合:40,000円~60,000円程度
検査~治療の流れ
睡眠時無呼吸が疑われる場合は、先ず簡易検査を実施いたします。AHI(無呼吸低呼吸指数)に応じて今後の治療方針を決定していきます。
AHIが40以上の場合
重症SASにつき、早急にCPAP治療を開始を推奨いたします。
15<AHI<40の場合
より病状に沿った治療方法を検討するため、精密検査を推奨いたします。精密検査後、AHI <20の場合はマウスピース治療等、AHI >20の場合はCPAP治療を推奨いたします。
睡眠時無呼吸症候群の治療
睡眠時無呼吸症候群は、自覚しづらいまま病状が進行する恐れもありますが、早期発見と治療の開始で未然に防ぐことができます。発覚した時点で速やかに適切な治療を受けましょう。
当院で行っている主な治療方法は、生活習慣の改善とCPAP(シーパップ)療法です。
生活習慣の改善
主に以下のような改善策があります。
- 寝る前の飲酒を控える
- 横向きで寝る
- 禁煙
- 適正体重を目指した減量
- タンパク質、食物繊維、炭水化物のバランスを整える
- など
特に寝る前の飲酒は、舌が喉へ落ち込みやすくなったり、夜間の睡眠の質を妨げたりするため避けた方が良いでしょう。
CPAP療法
CPAP療法は、睡眠中に鼻に酸素マスクを装着し、持続的に空気を送り込むことで、気道が確保され、無呼吸状態を防ぐことができる治療です。検査の結果で「中等症以上」と診断された方が対象となります。
効果について
最も治療の効果を見込めるのは、閉塞型の睡眠時無呼吸症候群です。閉塞型とは、舌の落ち込みなどにより気道が塞がれてしまう状態を指します。
CPAP療法であれば、気道が塞がる前に酸素を送り込む圧を与えられるため効果的です。
CPAPはレンタルと購入
どっちがお得?費用・
メリット・デメリットを比較
レンタル | 特徴 | 自費購入 |
---|---|---|
月約5,000円前後 | 初期費用 | 30万円~50万円 |
1週間から利用可能 | 利用期間 | 期間無制限 |
指定された機械を使用する | 機械の選択肢 | 自身が使いたい機械を使用可能 |
修理・交換可能 | 故障時 | 修理・買い替え |
レンタルの場合
- 初期費用や管理費用を抑えられる
- 短期間の利用に向いている
- お試し利用も可能
- レンタル期間中のサポートが豊富
- など
自費購入の場合
- 初期費用や管理費用がかかる
- 長期間の利用に向いている
- 主体的な情報収集や業者との対応が重要
- 購入後のトラブルへの対応が求められる
- など
注意
医療機器の個人間購入や海外輸入について、国内薬事法により厳格な規制があります。購入方法は必ず医師へご相談ください。
マウスピース
患者さんの顎の型を取って作成したマウスピースを装着して、強制的に顎を前方へと移動させることで気道を確保する治療方法です。検査の結果で「軽症」と診断された方が対象となります。
市販のマウスピースでは代用できないため、マウスピースによる治療が必要と判断した時は当院から提携する歯科医院をご紹介します。
手術
鼻や喉の炎症・腫脹・骨格異常による睡眠時無呼吸症候群の場合には、手術が有効なことがあります。
専門的な手術が必要になった場合には、提携する医療機関を速やかにご紹介しますのでご安心ください。
家族のいびきが気になる・
うるさい・心配な方は、
ぜひ当院にご相談ください
睡眠時無呼吸症候群は、ご本人より周りの方が先に気がつくケースが多くあり、ご本人へ伝えても取り合ってくれないことも起こりがちな病気です。
まずは以下のようなご自宅で行える改善策を促し、様子を見ましょう。
- いびき対策枕を使う
- 横向き寝をする
このような改善策を行っても、ご家族のいびきや日中の様子など気になることがある場合は、お気軽に当院へご相談ください。