失神(意識消失)は
病院に行くべきか(何科?)

失神(意識消失)は病院に
行くべき?何科を受診すべき?

失神(意識消失)は病院に行くべき?何科を受診すべき?失神(意識消失)は、一時的に脳への血流が不足することで生じます。
多くの場合は数分以内に意識が回復しますが、失神時の状況によっては運転中や歩行中など危険な場面になりかねません。
また原因によっては重篤な病気が隠れている可能性があるため、一時的なことと油断せずお近くの医療機関を受診されることをおすすめします。

病院を受診すべきケース

下記の症状が見られる場合は、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。

  • 繰り返し気を失う経験がある
  • 意識回復後も平衡感覚の乱れやめまい感が持続する
  • 胸部痛や心拍の異常(動悸など)を感じる
  • 倒れた際に頭部に損傷を受けた
  • 意識を失う前に四肢の感覚異常やけいれん症状が出現する

受診すべき診療科

失神(意識消失)がある場合は、以下の診療科を受診すると適切な診療を受けられます。

循環器内科

循環器内科では、心臓の病気(不整脈・弁膜症(特に大動脈弁狭窄症)・心筋梗塞・低血圧など)によって、脳に十分な血液を送ることができず失神に至っている可能性を考えて診察します。

神経内科

神経内科では、脳の異常(脳梗塞・てんかんなど)により歩行機能や意識障害が生じている可能性を疑い、診察します。

一般内科

一般内科では、原因がわからない場合や軽い症状の場合であっても、広い視野から原因を特定することが可能です。失神は放置すると危険なため、適切な診査・診断を受けるようにしましょう。

目の前で人が倒れたら?
正しい姿勢と応急処置

目の前で人が倒れたら、まず「呼吸確認」「呼びかけ」を行いましょう。呼びかけに反応しない場合は、以下の手順で回復体位をとらせてください。その後に救急車を呼びましょう。

  1. 横向きに寝かせます
  2. 体の上側にある腕の手のひらが地面に向くように頬の下へ差し入れて、手枕を作ります
  3. 顎をやや前に突き出させ、気道を確保します
  4. 体の上側にある太腿を体の前に出し、膝を直角に曲げて重心を保ち、体が背中側に倒れないようにします

失神(意識消失)の原因

失神(意識消失)を引き起こす主な原因は、心臓疾患・自律神経障害・脳血管神経疾患が関わっていることが考えられます。

特に脳や頸部の血管が狭くなっている一過性脳虚血発作やてんかん発作などの脳疾患は、重篤な合併症にもなり得るため、失神の原因の鑑別は細心の注意を払って行われます。

失神(意識消失)を引き起こす
原因と考えられる病気

不整脈

心臓の拍動リズムが不規則、あるいは異常に速い・遅い状態を指します。いずれの場合も脳への血流が一時的に低下し、めまいや失神(意識消失)を引き起こします。
しかし重度の不整脈は、突然死につながる可能性もあるため注意が必要です。

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肺高血圧症

肺高血圧症とは、肺動脈の血圧が異常に高くなる病気です。心臓から肺への血流が滞ることで、全身の酸素供給が低下し、息切れ・めまい・失神などの症状が現れます。進行すると心臓に負荷がかかるため心不全を引き起こすこともあります。

神経調節性失神

神経調節性失神は、起立性失神や立ちくらみとしても知られており、熱中症や急な姿勢変化などがきっかけで、急激な血圧低下と脳への血液供給低下によって生じます。

てんかん発作

てんかん発作は、脳の神経細胞が異常な電気的放電によって引き起こされ、部分発作や全般発作として意識喪失・無動・全身けいれんなどの症状が現れます。

心因性非てんかん発作(PNES)

心因性非てんかん発作は、脳神経細胞ではなく心因性の要因(トラウマなど)によって引き起こされる発作であり、奇声・意識消失・けいれんなどが現れます。

起立性低血圧

起立性低血圧は、通常は姿勢変化に心臓・血管が順応して脳への血液供給を保つはずが、この反応がうまく機能せずに血圧が急激に低下した状態です。めまい・ふらつき・視界の暗さ・意識消失などが生じます。

失神(意識消失)の検査

当院では心臓・血管・脳などの失神の原因疾患が生じうる臓器に関して、以下の検査で詳しく調べます。

  • 心電図検査
  • 心臓超音波検査
  • 胸部レントゲン検査
  • MRI検査
  • 頸動脈エコー検査

など

※MRI検査が必要と判断された場合は、当院より提携している医療機関をご紹介します。

失神(意識消失)の治療

治療方法は原因によって異なりますが、主に以下のような薬物療法・外科的手術・日常生活の工夫によって経過観察します。

失神(意識消失)の治療
  • 抗けいれん薬、抗不安薬、抗不整脈薬
  • ペースメーカー植え込み手術
  • 下肢ストッキングの着用
  • 適正量の塩分摂取
  • 下肢の筋力トレーニング

など

失神(意識消失)の対策・予防法

失神は、規則正しい生活習慣と適度な運動習慣を作ることで予防可能です。例えば、就寝と起床の時間を一定に保つこと・通勤途中に歩行する時間を増やすこと・禁煙・節酒などが効果的です。

また定期的な健康診断と人間ドックを受けることで、異常の早期発見につながるでしょう。大阪市の鶴橋駅前よしかわ内科は健康診断にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。